しばらくローンが組めなくても債務整理は早いほうが良い

しばらくローンが組めなくても債務整理は早いほうが良い

債務整理は、苦しい借金生活から解放される手段であると分かっていても、債務整理した後の生活が不安で踏み出せない、という人は多いでしょう。二度とローンが組めなくなるのではないか、一生車もマイホームも持てないのではないか、そんなふうに悲観的になってしまう人もいるかもしれません。確かに債務整理をすると、一定期間ローンを組めなかったり、クレジットカードをつくれなかったりすることは確かです。しかし、そんな状況が一生続くわけではありません。もちろん、無理をすれば返済できる、というのであれば、頑張って返済するのが望ましいでしょう。しかし、債務整理を考えている時点で、既に返済不能に陥っているのではないでしょうか。既に支払えない状態であれば、宝くじでも当たらない限り、借金は増える一方です。早急に債務整理を検討すべきでしょう。
債務整理をしても、債務を圧縮してくれた金融機関と関係のないところであれば、新たな借入ができるのではないか、と考える人もいるかもしれません。債務整理をしたことは、債権者と債務者しか知らないはず、ということで、このように考えるのも無理はありません。しかし、実は債務整理をすると、個人信用情報機関というところにその情報が記載される仕組みになっています。貸金業などが共通で利用しているネットワークのようなもので、この情報をもとに金融機関は融資を実行しても良いかどうかを判断しています。裁判所を通さない任意整理であっても、情報は記載されます。つまり、個人的な貸し借りをチャラにしてもらった、というのでない限り、債務整理をしたことは、融資をしている会社のほぼすべてに知られることになります。
例えばA社の借金を任意整理した後、完済したとしましょう。また借入がしたいと思った時、同じA社からの借入は難しい、ということは想像に難くありません。しかし、ライバルであるB社なら貸してくれるのではないか、そう考えるのはむしろ自然です。しかし、B社も融資を実行する前に先述の個人信用情報機関に照会をかけますので、A社で債務整理をしたことはB社の知るところとなります。ごく最近債務整理をしていることが分かれば、やはり融資は難しいでしょう。
このように、しばらくは新たな借入が難しくなるのは事実です。しかし、個人信用情報機関での記録は、一定期間経つと抹消されることになっています。任意整理なら5年程度、自己破産なら7～10年程度が目安です。この期間が過ぎれば過去の債務整理によって審査に落とされることはなくなりますので、マイホームなどの購入を考えているのであれば、むしろ債務整理は早くすべきだと言えます。